(Japanese)上半期は輸出入ともマイナス基調-「回復力を欠いた世界経済が要因」と強調-
中国の6月の輸出は前年同月比4.8%減と3ヵ月連続で減少となった。輸入でも2014年11月以来のマイナス基調が続く。上半期(1~6月)の実績としては、輸出が前年同期比7.7%減、輸入が10.2%減となった。海関総署は、世界経済が回復力を欠き、世界貿易が引き続き縮小したと述べ、外部要因を強調したが、中国の貿易は楽観できない状況が続く。
<輸出は7.7%減、輸入は10.2%減に>
海関総署の7月13日の発表によると、2016年6月の輸出は前年同月比4.8%減の1,804億ドル、輸入は8.4%減の1,323億ドルとなった。輸出は2015年7月から2016年2月までマイナスが続き3月はプラスに転じたものの、その後再びマイナスが続いている。輸入は2014年11月以来マイナスの伸びが続いているが、マイナス幅は縮小傾向にはある。
上半期の傾向をみると、貿易総額は前年同期比8.7%減の1兆7,127億ドルで、輸出は7.7%減の9,855億ドル、輸入は10.2%減の7,272億ドルとなった。貿易収支は2,583億ドルの黒字となっている。第1四半期に比べ、輸出入とも第2四半期の数字は拡大しているものの、過去3年の第2四半期の数値と比較し低調となった.
2016年3月の全国人民代表大会では、輸出入について安定的な回復を目指すとの言及にとどめ、2016年通年の具体的な数値目標は設定していない。2015年は通年の政府目標6.0%前後拡大に対し、実績は8.0%減と、4年連続で政府目標の達成に至っていない。
海関総署の黄頌平報道官は上半期の状況について、「世界経済が回復力を欠き、世界貿易が引き続き縮小した」と述べ、外部要因を強調した。内部要因としては、経済の押し下げ圧力が高まっており、工業生産や固定資産投資の伸びが前年同期より鈍化し、輸入抑制につながった点や、企業のコストが高止まりして、一部の産業が国外に流出したことなどを挙げた。
そして、第2四半期は第1四半期に比べてわずかに回復の兆しがみられるとした。その要因は、貿易の安定的発展のため政府が昨今打ち出した関連政策の効果が徐々に現れてきたこと、「一帯一路」政策なども含めた多国間・2国間経済貿易協力の進展、主要商品価格の値下がり幅の縮小などを挙げた。
<上位5ヵ国・地域の低調続く>
上半期の輸出では、最大の米国が1,734億ドル(9.9%減)、以下、EU1,603億ドル(4.4%減)、香港1,327億ドル(4.8%減)、ASEAN1,233億ドル(8.4%減)、日本617億ドル(6.1%減)の順となっている。2015年と順位の変動はなかった。月ごとの推移をみても、主要5ヵ国・地域とも低調な状態が続いている