(Japanese)中国の存在感が傑出していたFlash Memory Summit 2016
2016年8月9~11日の期間、米カリフォルニア州シリコンバレーの中心ともいえるSanta Clara Convention Centerにてフラッシュメモリに特化した国際会議および展示会「Flash Memory Summit 2016」が開催されたが、その中で中国勢の存在感が傑出していたと、台湾の市場動向調査企業TradeForceが8月25日付けで会議の様子とその背景の中国事情に関するレポートを公開した。
中国では、モバイル機器の需要が増え続けていることを受け、それらのデータを処理するサーバを大量に配備するデータセンターが広範囲に設立され続けていることを背景にNAND型フラッシュメモリの消費が急拡大している。こうした勢いを受けてDRAMeXchangeは、2017年には世界中のNANDの30%が中国で消費され、その勢いはとどまるところを知らず2020年には40%に達するだろうと見ている。このような中国国内の旺盛な需要を背景に、中国政府は、NAND型フラッシュメモリの製造から消費に至る完全なエコシステムを構築して自給自足体制を敷こうとしている。
メモリチップ製造に関しては、武漢新芯集成電路製造(XMC)が今のところ規模の点で中国最大のNAND型フラッシュメモリメーカーであり、3D NANDに関しては米国のSpansionから技術供与を受けることで合意している。XMCは、2018年前半に第1世代の3D NAND製品の量産を始める計画である。さらに、清華大学傘下の紫光集団(Tsinghua Unigroup)は7月にXMCの株式の過半を買収し、長江存儲科技(Yangtze River Storage Technology)という新たな持ち株企業の元に自社のメモリ製造部門として経営統合させた。この新しい持ち株会社は、中国内でNAND型フラッシュメモリの製造を効率よく行うことに寄与するだろう。
コントローラチップやその応用市場に関しては、中国の代表的メーカーであるSage Microelectronics、MemblazeおよびHuaweiが今回のサミットに顔をそろえた。SSD市場が今後5年以上にわたって大きく成長することが期待されるので、多くのコントローラベンダやSSDストレージ・プロバイダは研究開発体制を強化している。