(Japanese)中国上半期で鉄鋼過剰生産能力1,300万トンを解消
工業情報部によると、中国で2016年上半期に解消した鉄鋼の過剰生産能力は1,300万トン余りに達した。年間解消目標4,500万トンの約30%に当たる。同部は、上半期の業務の重点は目標任務の割り振りにあったが、下半期は過剰生産能力解消推進の新たな段階に移るとしている。
<2016年目標の約30%を達成>
工業情報部は、7月25日に工業通信業の発展状況について記者会見を開き、上半期に解消した鉄鋼の過剰生産能力は1,300万トン余りに達し、2016年の目標任務の約30%の達成状況だとした。
鉄鋼について、全体の過剰生産能力解消の目標は5年で1億4,000万トンであり、2016年はそのうち4,500万トンの解消任務を達成するとしている。上半期の達成状況からすると、2016年の過剰生産能力解消の取り組みは、目標より下振れしているようだ。
この点について馮飛副部長は、上半期は主に目標任務を割り振って各地方に着実に実行させることに力を注いだとしており、現在までに28の省・自治区・直轄市が中央部門間の指導チームと目標責任書を締結したほか、中央国有企業を含めて28の省・自治区・市に専門奨励補助資金を既に支給したとしている。すなわち、上半期の政府業務の重点は、目標任務の割り振りにあったことを強調しており、下半期は実質的な過剰生産能力解消推進の新たな段階に移るとして、通年目標の達成に自信を示した。
<依然、深刻な過剰状況>
7月15日に国家統計局から発表された工業生産〔年間売上高2,000万元(約3億円、1元=約15円)以上の企業を対象〕の統計では、2016年上半期の鋼材生産は前年同期比1.1%増の5億5,992万トンとなった。粗鋼は1.1%減の3億9,956万トン、銑鉄は2.1%減の3億4,533万トンとマイナスだったが、それぞれ第1四半期の3.2%減と4.1%減に比べマイナス幅が縮小している。また、6月単月の前年同月比の伸びはそれぞれ1.7%増、1.8%増とプラスになっている。
馮飛副部長は、鉄鋼価格の上昇で、赤字企業や需給状況から生産を控えていた企業が生産を再開したとしながらも、それは一時的なもので、需給に根本的変化は表れていないとした。その上で、鉄鋼産業は依然として深刻な過剰状況にあり、解消への取り組みを進めると強調した。