(Japanese)金属より40%軽い樹脂製ホースモジュール-住友理工がタイ・中国で量産
住友理工は自動車の燃料を燃料タンクに導く樹脂製ホースモジュールの量産を始めた。年産能力は21万3000台分で、タイと中国に専用生産ラインを整備した。投資額は明らかにしていない。金属製のホースに比べ約40%の軽量化につながる。同社は2013年にイタリアの自動車用ホースメーカーを買収するなど事業強化を進めており、付加価値の高い製品の提案も積極化する。
量産を始めたのは「樹脂フィラーネックモジュール」。タイで年産能力10万5000台分、中国で同10万8000台分の生産ラインを構築した。日系自動車メーカーのグローバル車種に供給し、そのほかの車メーカーへの拡販も狙う。
ホースは高分子材料技術を駆使した接着積層構造で、燃料がホースからしみ出す透過性を低減した。樹脂の平滑な曲げ加工や、蛇腹部分を薄くする設計・生産ノウハウを使って給油性能を高め、衝突安全性能も確保している。給油口のほか、燃料タンクに接続するクイックコネクターなどを搭載したモジュールで提供し、車メーカーは組立工数を減らせる。
金属製から樹脂製への材料置換で約40%軽量にし、車メーカーの燃費改善ニーズに応える。住友理工は車用ホース単体に強いが、ホースのモジュール化への要求が大きくなっているため高付加価値な製品開発を急ぐ。
13年には伊ダイテック・ダイナミック・フルーイド・テクノロジーズを買収し、15年度に世界シェアは約13%で3位となっており、相乗効果の創出も図っていく。